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人事コンサルティング

グループ企業(子会社・関連会社)向け人事制度コンサルティング

1.グループ企業ごとの人事制度の必要性

M&Aや企業再編が進む中、子会社・関連会社をいかに成長させ、グループ全体として収益を上げていくかは重要な経営課題です。子会社は、かつてのような「親会社の中高年社員の受け皿」「人件費抑制の手段」ではなく、「収益力強化の一翼」としての存在が求められているのです。

一方で、子会社の成長に伴って親会社の下請け的な業務から抜け出し、独自の事業構造を確立したり、プロパー社員の比率を高めたりして、親会社との関係性が希薄になっていくこともあります。そもそも、グループ企業だからといって同じような業種・職種というわけではなく、企業規模や、組織・社員のあり方も異なります。このような違いがあるにもかかわらず、親会社の人事制度を子会社にそのまま当てはめるのは難しいでしょう。制度が上手く運用されなかったり形骸化したりして、社員のモチベーションが低下してしまいかねません。同じグループであっても、各企業の状況に応じた人事制度を構築・運用していくのがベストです。

2.グループ企業間の関係性に応じた制度方針

とはいうものの、グループ企業間の関係性や親会社のスタンスによって、人事制度の方向性は異なります。まずは次のようなポイントに着目して状況を整理してみましょう。

  • 業種、職種の相違
  • 取引関係の強さ(子会社の収益が親会社にどれくらい依存しているか)
  • 出向社員とプロパー社員の比率
  • 子会社の社内体制(独自制度の構築、運用に堪えうるか)
  • 親子間で賃金水準が逆転することを認めるか
  • 子会社単体の業績を賃金に連動させることが可能か
  • グループ企業間で分離困難な制度はあるか(共通の企業年金制度、福利厚生制度など)

これらの要素を踏まえて、グループ各社について人事制度方針を決めていきます。親会社との関係性が強い場合、例えば実質的に親会社の一部門となっていたり、親会社としか取引関係がなかったりするときは、子会社の人事制度を独立させるメリットは相対的に小さくなります。制度を各社の自主性に委ねる場合も、グループ全体の統一感を出すために、理念や行動指針に関する部分に共通性を持たせたり、体制が不十分な子会社の運用を支援したりする形で、親会社が関与することはありえます。子会社・関連会社が独自の人事制度を持つ意義をグループ全体の視点で考え、親会社の制約や関与の程度を明確にして、部分最適と全体最適の両方に配慮することが重要です。

企業ごとに制度方針を検討する例

企業名業種社員数取引
関係
独自性水準
逆転
業績
連動
年金労組人事制度方針
自社メーカー800名実施
済み
DC導入
予定
あり昨年導入の人事制度を定着させる。
A社商社350名70%一部可不可不可グループ
共通
グループ
共通
等級基準、人事評価基準のみ独自策定を進める。
B社ネット
通販
150名なしなしなし賃金も含め、業界に適した人事制度を独自設計で。
C社運送180名30%一部可不可単独単独業界に適した人事制度設計を支援する。

3.業種別の人事制度構築の要点

先述の通り、業種によって抱えている部門や社員の性質は様々なため、人事制度が目指すべき方向性も異なります。まずは、業種ごとの人事制度構築のポイントを押さえておきましょう。

① 製造業

部門の数が多く、それぞれに業務内容や求める貢献が大きく異なります。個人・短期での成果が明確な営業職、中長期的な成果が求められる開発職、チームでの貢献が主になる製造職、サポート部隊としての総務・事務職といった特徴に合わせるため、人事評価基準は、部門ごとに分けることが好ましいと言えます。場合によっては賃金制度も部門別に設計することを検討すべきでしょう。いわゆる職種別賃金、部門別賃金という発想です。

② 商社・卸売業

組織の中心となる営業部門のモチベーションを高められるよう、業績評価制度や賞与・報奨金などのインセンティブ制度を中心に検討します。個人業績を重視しすぎるあまり、組織内の連携が弱くならないよう、人事評価においても、個人業績とチーム業績のバランスをとることが重要です。

③ 小売業

店舗と本部に組織が大きく分かれるため、それぞれの役割に沿った制度設計が求められます。各店舗の収益や管理のレベルを高めるためには、優秀な店長をいかに育成・処遇していくかが重要になります。また、社員の多数を占めるパート・アルバイトの活用が、サービス向上の鍵を握っています。

④ IT関連企業

SEなどの技術者は、職人気質で自らの専門性強化に関心が高い反面、顧客とのコミュニケーションや組織マネジメントには苦手意識を持つ人も多くいます。そのため、業務品質だけでなく、顧客満足や生産性にも意識を向けさせるための評価基準や教育研修が欠かせません。

⑤ 建設工事業

外部要因によるコスト変動に加えて、他業種に比べてどんぶり勘定的な体質があるため、業績の波が激しくなりがちです。案件ごとの収益管理を行って人事評価などに反映させるなど、社員のコスト意識を高める工夫が必要です。

⑥ 不動産業

営業職については、歩合給が大きな割合を占める企業も少なくありません。その場合、短期的な成果だけを追い求めてしまいがちなので、中期的な取組みや成果を評価するしくみも有効でしょう。

4.子会社独自の人事制度を構築した事例

<事例1>

消費財メーカーの子会社である倉庫・運送業が等級制度を変更した事例です。子会社は親会社と比べて社員数も管理職も少なく、管理職層5ランクを含む全9段階もある親会社の等級制度は重厚長大すぎました。そこで、管理職層を3ランクに留め、全体で7段階の等級制度としました。また、職種に応じてキャリア区分を設け、給与制度も職種別に設計しました。例えばドライバー職では、人材を確保するため、スタート時の給与は地域相場より高めに設定し、昇給ペースは緩やかにしました。

親会社と子会社で等級制度を分けた例

親会社(左)社員数2,000人 管理職層が比較的多く、役割も明確であった
子会社(右)社員数200人  管理職層が少ない組織体制であった

<事例2>

機械メーカーの子会社である金属部品メーカーが、賃金制度を変更した例です。きっかけは、親会社が管理職層の給与制度を実力主義的なものに改定したことでした。新制度を子会社にもそのまま当てはめると大幅な給与変動が生じることが判明したため、グループ方針を踏襲しながら、独自の制度を構築することになりました。親会社と同様に年齢給の要素は廃止しながらも、等級内の基本給決定方式を異なる設計にすることでスムーズな制度移行を可能にしています。ただし、人事評価基準を明確にして評価差がつきやすくしたため、数年かけて実力に見合った給与に改定されていくようになっています。

親会社と子会社で管理職層の賃金制度を分けた例

親会社(左)等級と評価に応じて、一定の給与額に毎年洗い替える
子会社(右)等級内の給与額に幅を設け、評価結果に応じて昇降給させる

<事例3>

電気機器メーカーの子会社である機械メーカーが、独自の役員賞与制度を導入した例です。グループ各社には、親会社の枠組みを逸脱しない範囲での自由な制度設計が認められていました。親会社との取引関係がほとんどなかったため、収益責任が明確になるよう、役員賞与の支給基準をグループ業績ではなく、子会社単体の業績に連動させる方式にしました。

子会社の役員賞与の決定基準例

業績係数売上高対
経常利益率
経常利益
前年伸長率
売上高
伸長率
ROE
役員賞与×基礎額1.57.5%以上125%以上110%以上7.5%以上
1.47.0%以上120%以上108%以上7.0%以上
1.36.5%以上115%以上106%以上6.5%以上
1.26.0%以上110%以上104%以上6.0%以上
1.15.5%以上105%以上102%以上5.5%以上
1.0(標準値)5.0%以上100%以上100%以上5.0%以上
0.94.5%以上95%以上98%以上4.5%以上
0.84.0%以上90%以上96%以上4.0%以上
0.73.5%以上85%以上94%以上3.5%以上
0.63.0%以上80%以上92%以上3.0%以上
0.52.5%以上75%以上90%以上2.5%以上

このように、グループ企業間の関係性や企業規模、業種、組織、風土などの状況に応じて、柔軟な制度設計を図っていくことが重要です。

5.グループ企業の人事担当者勉強会

親会社としてグループ企業の支援をしたくても、1社ごとに対応すると、多大な時間と労力を要することになります。また、子会社・関連会社としても、単独で人事制度改定に取り組むには、情報やリソースが不足しがちです。

このような場合、「グループ企業(子会社・関連会社)の人事担当者向け勉強会」が効果的です。グループ企業を業態別や規模別などの観点でチーム分けし、人事テーマに沿った勉強会を開催します。人事担当者向け勉強会の企画、講師、コーディネーターについても、弊社コンサルタントがご支援いたします。

実施回数や時間、テーマなど、さまざまな勉強会の開催が可能ですので、お気軽にご相談ください。

グループ企業の人事担当者勉強会例1

人事制度構築勉強会
1.自社の現状把握・分析
2.等級・役職制度、等級基準の検討
3.人事評価制度、評価基準の検討
4.給与・手当・賞与制度の検討
5.退職金・再雇用制度の検討
6.人事制度改定方針のまとめ

グループ企業の人事担当者勉強会例2

人事トピックス研究会
1.人事賃金制度のトレンド
2.人事戦略・人事理念構築、浸透
3.働き方改革、生産性向上
4.同一労働同一賃金、無期転換
5.定年延長、シニア社員活用
6.役員報酬改革、執行役員制度

グループ企業(子会社・関連会社)向け人事コンサルティングの流れ

現状分析から導入まで、各社に合わせて業務設計いたします。

Phase.1
現状分析
現行制度の分析やヒアリング/アンケートを実施し、制度の特徴や問題点を明確にします。
 
Phase.2
方針策定
現状分析の結果を基に、会社の理念や経営方針も踏まえて、制度改定の方針を策定します。
 
Phase.3
詳細設計
給与テーブルや賞与算出方式、人事評価の反映方法など、具体的な制度設計を行います。
 
Phase.4
導入・運用支援
賃金シミュレーションを行って、総額人件費や各社員の給与の増減が適正な範囲に収まるよう調整します。また、制度改定に伴う不利益変更にも配慮しながら、適切な移行措置を設定してスムーズな導入をサポートします。
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