応募者を動機づける手法

9月に入り、2016年度採用もピークを越え、大手企業を中心に、既に採用活動を終了している企業が増えてきています。それに伴い、内定を出した学生に辞退をされ、予定採用数に達しなかったために、追加募集を開始した企業も出てきています。
 
学生は、どうしても大手や有名企業に惹かれてしまいますが、それを「仕方がない」と諦めるのではなく、その中でいかに「この会社に行きたい」と思ってもらえるかを考えることが重要です。
 
なお、仮にあなたが面接官であった場合、応募者から 「御社の魅力は何ですか?」と聞かれた場合、どのように答えますか?
 
もし回答に詰まるようであれば、改めて自社の魅力は何なのかを整理し、明確なメッセージにすることが必要です。
 
そのためには、求める人物像に合わせ、その人達の琴線に響くようなアピールポイントを伝える必要があります。例えば、応募者の志向(キャリアモチベーション)を例にとって考えると以下のようになります。
 
<応募者のタイプ>
 1.社会公共性重視・・・社会のために役立つ仕事、社会的意義の高い仕事を求める
 2.自己価値向上制度・・・自分自身の能力開発や、高い評価を求める
 3.金券優位性重視・・・自分の働きによって、高い報酬を得たいと思う
 4.享楽性重視・・・仕事を通じて楽しみたいと思う
 5.保守安定性重視・・・安定的に取り組める仕事を求める
 
例えば、
2の傾向が強い応募者に対しては、
 「活躍している社員に会わせる(見せる)」
 「難易度の高い仕事を紹介する」
 「成長できる教育制度」
等をアピールすると、効果的です。
 
逆に「当社は安定した企業で、若い人にはコツコツと基礎から仕事を覚えていただきます。給与は完全に年功給です。」というようなアピールをしてしまうと、逆効果になります。
 
まずは社員へのアンケートやヒアリングを行い、何がアピールポイントとして訴求できるかを検討してみて下さい。
 
ただし、アピールポイントが総花的になってしまうと焦点がぼやけ、求めるターゲット層にメッセージが届かなかったり、本来のターゲットでない応募者が増え、採用活動の生産性が低くなってしまったりすることもあります。
 
自社の強みを改めて棚卸することで、「他社にはない、キラッと光る独自性のある魅力」に絞り、重点的にアピールするのがポイントです。

※コラムは執筆者の個人的見解であり、人事戦略研究所の公式見解を示すものではありません。

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