2020年03月20日 カテゴリ:人事考課(人事評価)
執筆者:西澤 美典
人事戦略研究所 コンサルタント
大学卒業後、前職の製造系ベンチャー企業にて営業・人事・総務等の実務を経営者の間近で従事。 「社員」と「経営者」の両方の視点から、自社のブランディングに取り組み、自分たちの存在定義を明確にすることで、働く人の意識、商品の方向性、企業文化が構築されていくことを体感する。 経営者のビジョンを大切にした、想いがつたわる人事コンサルティングを行っている。
これまで、評価表をシンプル化する具体的な方法について、ウェイトや点数按分の計算部分、評価者コメント欄部分、と評価表のパーツに分けて話をしてきました。
本来、評価項目ごとの評価点数の決定、成長課題の明確化やフィードバック面談など評価業務そのものにリソースを投下することが重要です。ところが、評価表の入力の手間や計算等々「評価表の管理」に関する工数が無駄にかかってしまうと、評価業務が余計に煩わしくなり、かけるべき工数をかけることができなくなってしまいます。
今回は、評価表の管理に充てる工数を少なくするためにはどうすれば良いか、の観点で、評価表をシンプル化する具体的な方法をお話しします。
評価表の管理工数の話をするにあたっては評価表の運用方法によって大きな違いがあります。
運用方法として考えられるのは、以下です。
・「紙」による運用
・エクセルやワード等の「データファイル」による運用
・「評価システム」による運用
評価システムによる運用は、管理工数が省力化され、最適化されています。
しかし、紙やデータファイルによる運用には、それぞれの良さもありながら、一方で面倒を感じたり、手間がかかったり(=管理工数がかかったり)する点があり、これをカバーできると、本来の評価にかける時間を生み出すことが可能になります。管理工数がかかる代表的な点と、そこから考えられるシンプル化の具体策をまとめると以下のようになります。
■紙による運用
【管理工数がかかる点】
手動で各評価項目の点数の累計を計算する必要があり、計算の工数がかかる
【シンプル化の具体策】
・計算を簡易にする
評価表のシンプル化①(https://jinji.jp/blog/blog01/2019/10/20-262967.php)をご参照ください。
・本人評価の評価合計点数欄を無くす
本人評価においては各評価項目の点数を見つめることが大切です。総合点数はなくても問題ないといえます。
■データファイル
【管理工数がかかる点】
評価表の一覧性がないため、一目で全体を見渡したり、過去の評価表や(調整目的で)他者の評価表と比較したりしづらい
【シンプル化の具体策】
・デバイス(モニタやノートPC)上でストレスなく視認できる見た目や大きさにする
ある程度全体や情報が見えていないと評価しづらくなります。
縮小・削減したり、別データに分けたりして、シンプルにまとめてみましょう。
・評価時の視線移動を意識して記入欄を配置する
あちらこちらに記入欄があると、データファイルの操作に時間を要します。記入欄を一定の箇所にまとめるか、縦・横に並べるなど、一目でみてわかりやすい構成にすると良いでしょう。こうすることで、他のデータファイルとの比較参照もしやすくなります。
このほかにも、面倒や手間と感じるところに、シンプル化できる可能性があります。
管理工数はできるだけ削減し、なるべく評価行為に時間を充てられるように細部にこだわって工夫することがポイントです。
※コラムは執筆者の個人的見解であり、人事戦略研究所の公式見解を示すものではありません。