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正社員以外にも、家族手当、賞与、退職金が必要に?

2019年04月20日 カテゴリ:人事制度

執筆者:山口 俊一

人事戦略研究所 所長

人事コンサルティング、講演、執筆活動を中心に活躍している。職種別人事をベースにした独自の発想と企業の実状に沿った指導により全国からコンサルティング依頼を受け、定評を得ている。現在までに中小企業から一部上場企業まで、200社以上のコンサルティング実績を持つ。主なコンサルティングテーマは人事評価・賃金制度の構築、組織運営など。

4月から、働き方改革関連法が順次施行されます。中小企業でも有給休暇の5日取得義務などがスタートしました。

同一労働同一賃金については、大企業で2020年4月から、中小企業では2021年4月から適用となります。

ところが、2018年12月に厚生労働省が発表した「同一労働同一賃金ガイドライン」では、家族手当、住宅手当、退職金について、合理性判断の具体例が示されませんでした。これら待遇に関しては、明確な指針を示さず、司法の判断に委ねたかたちとなっています。

一方、来年以降の法改正を先取りするかたちで、注目すべき判決が出始めています。

たとえば、住宅手当については、物流会社ハマキョウレックスの契約社員であるドライバーが起こした裁判。2018年6月の最高裁で、「正社員には転勤があるが、契約社員にはないため」支給しないことは不合理ではない、という結論が出ました。これにより、住宅手当については、転居を伴う転勤の有無が判断基準となりそうです。逆に、転勤のない中小企業などでは、正社員だけに支給する根拠を示しづらくなりそうです。

また、家族手当については、日本郵便の契約社員が起こした裁判。2018年2月の大阪地裁は、「家族を養う負担は正社員と変わらない」として、支給しない(同社では扶養手当)ことは不合理との考えを示しました。しかし、2019年1月の大阪高裁では一転、「契約社員は原則として短期雇用が前提」として、不合理ではないという判断となりました。

2019年2月の大阪高裁で、大阪医科大学のアルバイト職員への賞与支給を命じる判決が出ました。第一審の大阪地裁では、「正職員の雇用確保として一定の合理性がある」と格差を容認していただけに、大きな転換です。

2019年2月の東京高裁では、東京メトロ子会社のメトロコマースで、(10年前後勤務した)契約社員にも退職金が支払われるべき、という判断が下されました。

最高裁で確定していない裁判が多く、一審と二審で全く逆の結論が示されるなど、まだまだ趨勢が定まりません。しかし、これまでの人事常識が覆り出していることは間違いなさそうです。

そんな中、大企業であれば、今年秋頃までには、賃金や福利厚生についての対応方針を固める必要があるでしょう。人事担当者にとっては、極めて頭の痛い問題となりそうです。

本テーマの最新情報は、下記サイトで。

 同一労働同一賃金.com  https://douitsu-chingin.com/

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※コラムは執筆者の個人的見解であり、人事戦略研究所の公式見解を示すものではありません。

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