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掛金の設定方法は?

掛金の設定方法は?
当社の人事制度も6等級の資格制度をとっているので、H社の例を参考にさっそくシミュレーションしてみたいと思います。おそらく当社は上位等級の者が多いので、H社と同じ設定でいくと全体のコストはアップしそうな気がします。退職金制度とともに人事制度全体の見直しも必要かもしれませんね。

さてさきほどの先生のご指摘では、掛金は等級や給与幅ごとに設定できるということでしたが、前回の3つ目の宿題にあったように、算定方式の見直しも当社の課題の一つです。旧来の基本給×勤続別支給率では基本給の変動により大きく変わるので、できればポイント制のような制度を導入したいと考えています。

さきほどのH社のように中退共で掛金を設定する場合は、ポイント制をそのままというわけにはいきません。ポイント制とは、毎年のポイントを累計し、退職時に累積ポイントにポイント単価を掛けて退職金を計算する方法ですので、中退共であればポイント化するよりもダイレクトに掛金を決定する方法が簡単です。さきほども触れたように、定額であれば総額管理は社員数をカウントするのみですので簡単ですが、モデル社員設定を用いた他の方法ではシミュレーションが必要となります。中退共と確定拠出年金で、どのような掛金の設定の仕方があるかまとめておきます【図表5】。

【図表 5 掛金の設定の仕方】

中退共 (1)定額
(2)給与幅ごとに掛金を設定
(3)等級ごとに掛金を設定
(4)役職ごとに掛金を設定
確定拠出年金 (1)定額
(2)定率 給与の一定率
退職金用の給与(ポイント制など)の一定率
(3)定額+定率

ちなみに用語の使い方として、中退共では「掛金」、確定拠出年金では法律用語として「拠出額」と使い分けしていますが内容は同じです。詳しくは中退共に関しては中退共の本部およびパンフレットに、そして確定拠出年金に関しては確定拠出年金法の条文に記載されていますので、確認しておいてください。

なお、中退共で注意しなければならないこととして、中退共を退職金制度の内ワクとして活用する場合の掛金設定方法があります。さきほどのH社の例は中退共からの払い出しそのものを会社の退職金支給額とする、いわゆる「中退共払いきり型」のケースでした。これに対し、自社の退職金は別規程として存在し、その積立として中退共を活用する場合には、規程で定める支給額を超えないように中退共の掛金を設定しなければなりません【図表6】。

一般論として、ポイント制のような成果・貢献度を取り入れた掛金の設定方法と、定額とでは次のようなカーブの違いが表れてきます【図表7】。このような特性を知って、自社の目指すモデルに合ったルールを決めていってください。

ところで、実際の旧制度から新制度への移行を検討する場合には、ここで大きな問題が生じます。

多くの企業がいわゆる「S字型」の退職金カーブをとっているため、新制度における上記のようなカーブを重ねると、年代によって有利・不利が出てくるのです。トータルでは不利益感を極力なくすよう努力し、Answer1で述べたコスト計算も押さえながら、目指すカーブを描かなければなりません。

私どもコンサルティングの現場では、シミュレーションにシミュレーションを重ねることによって議論を積み上げ、最終意思決定を導き出します。長い場合は、こうしたシミュレーションに3~4ヶ月程度を要します。