ホーム > 人事制度ノウハウ> 退職金の問題と改革(Q&A)> 確定拠出年金の選択理由は?コストは?

業種別人事制度ノウハウ集
労働法実務入門シリーズ
人事テーマ別ノウハウ集
 

人事評価・賃金制度

 
 

退職金・再雇用(雇用延長)制度

 
 

その他人事テーマ

 
人事制度ノウハウ レポート集

確定拠出年金の選択理由は?コストは?

確定拠出年金の選択理由は?コストは?
やはり中退共への移行が手続きも簡単で、その後も運用がしやすいように思います。ただし、積立不足分を補うための掛金アップは一度シミュレーションをしないとコストが判明しませんね。おおよそ中退共のイメージはつかめました。こうして比べてみると、私たち中小企業では断然中退共の方が採用しやすいように思えるのですが、あえて確定拠出年金を移行先に選択する企業の選択理由は何なのでしょうか。ついでに、確定拠出年金に移行する場合のコストも把握しておきたいのですが。

確定拠出年金の最大の魅力は、前回お話しした「退職給付債務の削減効果」です。御社では採用していないようですが、実際に退職給付会計を導入している企業では確定給付型の制度設計からくる退職給付債務が収益圧迫要因となっています。しかも昨今の積立不足による後発債務がますます収益を圧迫し、放っておくと債務超過にもなりかねません。このような財務体質の悪化を食い止めるためには、やはり確定拠出年金あるいは前払い化といった施策が非常に有効です。参考のために、確定拠出年金への移行にあたって、どのようなコストが必要かを確認しておきます。

【確定拠出年金の主なコストの内訳】

(1)初期導入費用
・不足分一括償却の場合の費用
(分割の場合は数年にわたる)
・投資教育に関する費用
・(コンサルティング費用)

(2)ランニング費用
・拠出費
・事務費(手数料)

確定拠出年金導入の事務費については、どの運営管理機関と契約するかによって変わってきますので、複数の機関からの見積りを取ることになるでしょう。また単独で導入する形態だけでなく、1つの規約に複数の企業が加入する総合型の形態も可能です。一般に総合型の場合は、単独型に比べローコストで済むようです。最も重要な拠出額のコストについては、確定拠出年金の制度設計いかんによりますので、必要に応じてコンサルティング等専門家のサービスを受けることをお勧めします。

以上、改革プランづくりに関して解説してまいりました。まだ確定拠出年金導入のためのコストの把握ができていませんので、それは次回に再度検討しましょう。おそらく、トータルコストでは確定拠出年金も中退共もそう大きくは変わらないように思えます。あとは、財務面への影響度や移行後制度の運用のし易さ等の比較によります。そこで、

  • 今後の経営計画において、退職給付に関わるコストとしてどれくらい許容できるか
  • 仮に確定拠出年金の方がローコストであることが判明した場合、確定拠出年金を採用するか否か
  • 退職金規程の算定式をポイント制等の新たな算定式に見直す必要があるか

という3点について、これまでの材料をもとに次回までに社内で十分検討を加え、方向性を出しておいてください。次は確定拠出年金のモデル設計をもとに方針決定まで進め、その後改革を進める上での留意点等をお話ししていきます。