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運用に関する自己責任と会社の投資教育

運用に関する自己責任と会社の投資教育
なるほど、確定拠出年金が社員の自己責任の年金と呼ばれる理由がわかりました。用意された運用商品のうち1つは必ず元本型の商品があるわけですから、何も無理をせず手堅く元本を確保すればいいのではないでしょうか。私も株式の売買なんて一度もやったことがありませんし、もし失敗して大損したら、せっかくの年金資産がもったいないですよね。

お金の運用に関しては、日本人の性格として「コツコツ貯める」タイプが多いのは各種統計でも出ているとおりです。サラリーマンで株の売買や投資信託をやっている人の割合は非常に少ないでしょう。こうしたわが国の土壌において、いきなり投資や運用といわれても戸惑いますね。確定拠出年金を敬遠する人の多くは、社員の投資への不慣れを指摘します。このような状況に配慮して、法律上では制度導入にあたり、必ず投資教育を実施することが義務付けられています。考えてみれば、これまでの確定給付タイプでは企業が運用に責任を負っていたわけですから、その責任を個人(社員)に転嫁しているといわれても仕方がありません。ですから、社員の理解を得るためにも投資教育は十分に尽くす義務があると私は思っています。

貴社に仮に確定拠出年金が導入されたとしたら、質問者は、手堅く元本確保型の商品で運用するかもしれません。しかし元本確保型は一般に運用利率が低いものとされています。例えば銀行の定期預金の利率をみても史上まれにみる低い金利ですよね。それぞれに責任を持って商品を選ぶという原則ですから、低金利であっても元本確保を最優先に置くのであればそれもよいでしょう。逆に将来の資産目標を決めて、その目標リターンに向けてリスクを取るやり方もあります。確定拠出年金の世界では、こうしたいわゆる「リスク」と「リターン」の原理を学ばねばなりません。

導入事例を見ますと、最初の導入説明会の際には運営管理機関やファイナンシャルプランナーなど、いわゆる「運用のプロ」といわれる人達が中心となって投資教育を行うことが多いようです。しかし、大切なのは、最初にやったきりではなく、継続して投資教育を行うことですよね。そうするうちに、当初は不慣れだった社員もやがて投資感覚が身につき、自分の将来の資産形成に関してビジョンが持てるようになるのだと思います。

しかし、そもそも社員にこのような運用や商品に向かわせるべきかどうかは、最初に経営サイドできっちりと判断しておかなければならず、中途半端な気持ちで導入するべきではありません。