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課題の洗い出しと優先順位のつけ方

課題の洗い出しと優先順位のつけ方
これまでの内容により、自社の制度及び年金の現状がかなり明確に分かってきました。当社においては、適格年金の積立不足が最大の問題点だと思っています。このような状態で適格年金の移行は可能なのでしょうか。また旧来型の制度をポイント制に変えるという話も社内で出ています。いろいろな問題が混在していて、何からどう対処すればよいか分かりません。

第1回目の解説の最後に「退職金問題の事例」として (1)~(5)までの事例を挙げました(11月号105ページ)。実際に多くの企業の退職金・年金の現状をお聞きすると、主な問題点はこの5つに絞られるようです。確認のために再掲しますね。

(1)経営体力に比べて、退職金の支給水準が高い【水準・制度設計の問題】
(2)50歳代が多く、定年退職に対する資金準備が十分にできていない【当面の資金準備の問題】
(3)年金の運用が悪く、積立不足が膨らんでいる【年金積立不足の問題】
(4)旧来型の年功序列型となっており、成果主義の理念とマッチしていない【年功型制度の問題】
(5)適格年金の移行先、移行方法がわからない【適格年金移行問題】

またこれ以外にも、厚生年金基金の脱退問題や、退職給付債務への対応など他にも問題視すべき点がありますが、ここでは貴社のような適格年金中心の中堅・中小企業を想定していますので、これらはひとまず除外しましょう。

お聞きすると、貴社においては(3)の問題を抱えつつ(5)にどう対処すべきかという年金の問題と、(4)の年功型制度から成果主義対応の制度へという制度の問題の両方があるようですね。この2つは相互に関連し合っており、両者を意識しながら以下のステップにもとづき対策を打つということになります。

ステップ1 適格年金移行パターンの洗い出しと絞り込みを行う (ラフデザイン)
ステップ2 上記ラフデザインを意識しながら、退職金制度の改定を行う (制度改定)
ステップ3 改革のスキームの全体をグランドデザインとしてまとめる (グランドデザイン)
ステップ4 適格年金の移行の詳細を検討する (移行シミュレーション)

通常であれば、ステップ2の制度改定は「考え方やコンセプトの見直し」から始まるものですから、本来最初のステップに置くべきです。しかし実際には、ステップ1の移行先を検討する中で退職金制度そのものに関する考え方が固まるケースも多く、移行問題という制約条件があって初めて退職金制度のコンセプトが生まれることもしばしばです。そこでまずステップ1で移行問題を検討しておいて、具体的な退職金の制度改定に取り組むというステップをあえて取ります。 ではまずステップ1の適格年金移行パターンの洗い出しと絞り込みから、具体的な検討に入ってまいりましょう。