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要支給額とは?

要支給額とは?
なるほど、算定式なんて今まで見たこともありませんでした。当社の算定式はまさに先生が言われたとおりの、昔ながらのタイプのようです。これさえ理解していれば、どんな時でもすぐに退職金の計算ができますね。ところで、次の分析テーマである「要支給額」とは何ですか?

はい、では要支給額にいきましょう。今、あなたが見た算定式がありますよね。ところがよく考えると、これは勤続年数によって計算が毎年毎年変わってきます。つまり、同じ人でも1年経つと退職金の計算が変わる(通常は増える)ことになるのです。これをごく単純化して確認しましょう。もとの算定式を、

基本給 × 勤続年数の1/2 = 退職金 (会社都合)

としておきます。そして、入社5年経ったAさんの基本給を仮に【図表8】左欄のようにして、毎年の退職金を計算すると...

【図表8 Aさんの退職金額推移】

  基本給 勤続年数 退職金
6年目 250,000円 5年目 625,000円
7年目 260,000円 6年目 780,000円
8年目 270,000円 7年目 945,000円
9年目 280,000円 8年目 1,120,000円
10年目 300,000円 9年目 1,350,000円

【図表8】右欄を見てください。毎年毎年計算式が増えていくでしょう。考えてみれば、基本給が毎年上がり、勤続年数も確実に1ずつ増えますので、その1/2がかけられるとしても、次第にアップしていくのは理解できますね。このように、ごく一部の会社を除いて、退職金は毎年毎年アップするようにできています。

ところで「要支給額」というのは税法上で退職給与引当金を計算するときに「期末要支給額」という使われ方をします。退職金はまさに退職するときに初めて支給されるものであるはずですが、実はこのような規程上の算定式にあてはめることによって、毎年毎年「もし今辞めたらいくらの退職金を支給すべきか」という額が決まってくるのです。このことを「要支給額」と呼びます。実際に支給するのではなく、仮の計算額です。よく、「うちの社員が今全員一斉に辞めたら」なんて仮の話でする場合には、この時点での一人ひとりの要支給額を全員分足さなければなりません。これは表計算を使えばすぐに計算できます。【図表9】

【図表9 個人別要支給額表】

氏名 基準賞与 年齢(歳) 勤続年数 支給率 要支給額
  366,000 56 37 17.76 6,500,160
  412,000 55 35 16.80 6,921,600
  416,000 53 35 16.80 6,988,800
  480,000 55 33 15.84 7,603,200
  412,000 56 34 16.32 6,723,840
  536,000 54 32 15.36 8,232,960
  362,400 55 32 15.36 5,566,464
  303,300 48 30 14.40 4,367,520
  316,600 49 31 14.88 4,711,008
  387,200 52 29 13.92 5,389,824
  536,000 49 27 12.96 6,946,560
  480,000 52 28 13.44 6,451,200
  448,000 53 28 13.44 6,021,120
  464,000 52 26 12.48 5,790,720
  536,000 47 24 11.52 6,174,720
  476,000 48 25 12.00 5,712,000
  488,000 48 24 11.52 5,621,760
  488,000 47 24 11.52 5,621,760
  496,000 46 23 11.04 5,475,840
  416,000 42 24 11.52 4,792,320

そして、この要支給額の「会社都合」「自己都合」で全社員分を合計した金額は、次回以降に解説する「退職給付債務」に大いに関係がある重要な指標です。ぜひ御社の要支給額の合計額を把握しておいてください。