ホーム > 人事制度ノウハウ> 退職金の問題と改革(Q&A)> 自社の問題点をつかみたいが?

業種別人事制度ノウハウ集
労働法実務入門シリーズ
人事テーマ別ノウハウ集
 

人事評価・賃金制度

 
 

退職金・再雇用(雇用延長)制度

 
 

その他人事テーマ

 
人事制度ノウハウ レポート集

自社の問題点をつかみたいが?

自社の問題点をつかみたいが?
これまでの解説を聴いて、わが社の適格年金も積立不足に陥り、掛金の負担が増えていることが理解できました。また確定拠出の概要も分かりました。もう少し勉強して、退職金・年金制度に関する問題をしっかりと把握したいと思います。問題点を把握するにはどのようにすればよいでしょうか。

まず現状分析することから始めましょう。専門的な事柄が多く、またパソコンの表計算ソフトを使うことも多いので、不慣れであればコンサルタントなど専門家のアドバイスを受けるのも一つの手です。しかし以下の方法により、最低限の事柄は把握できます。

【診断の手順】

(1)自社の制度の全体像を洗い出す。年金制度の場合は、設計内容を洗い出す

(2)現在の支給額を個人別に計算し、グラフ化する

(3)今後5~10年かけてどれくらいの支給あるいは拠出負担が必要かをシミュレーションする

以上の分析を通じて、近い将来の退職金に対する負担度合いが把握できるでしょう。ただし、年金制度の設計内容には専門的な知識を必要とするため、わからないところは受託金融機関の担当者に聞くなどして、不明な点をクリアにしておきましょう。(2)で作成するグラフは【図6】のようなものです。

これによって、社員の年齢層や支給水準のバラつきが視覚的に把握できます。また(3)のシミュレーションをすることによって、資金支出が経営上負担にならないかをチェックすることができます。なお、具体的な診断の仕方は次号以降に解説しますので、ここでは大まかな概要にとどめておきます。

現状分析を通じて、わが社の退職金制度の何が問題かをまとめていきます。筆者のコンサルティング経験による退職金問題の事例としては、次のような内容に分類できます。

【退職金問題の事例】

(1)経営体力に比べて、退職金の支給水準が高い

(2)50歳代が多く、定年退職に対する資金準備が十分にできていない

(3)年金の運用が悪く、積立不足が膨らんでいる

(4)旧来型の年功序列制度になっており、成果主義の理念とマッチしていない

(5)適格年金の移行先、移行方法がわからない

そして、このような問題が生じるに至った企業の共通の原因の一つに、『経営者が退職金問題にあまり関心を持たず、十分な注意を払ってこなかった』ということがあると感じます。すなわち、「無知」と「先送り」(怠慢)が退職金問題解決を遅らせる最大の原因であることを心にとどめておきましょう。