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「一時金」と「年金」の違いは?

「一時金」と「年金」の違いは?
退職金倒産の恐ろしさは少しわかりました。要は最後は資金繰りの問題ということですね。ところで、わが社には税制適格年金という年金制度があるのは前任者から聞いたのですが、そもそも「一時金」「年金」という区別にはどのような意味があるのですか。

退職金問題に触れる中で、まずわかっているようで案外わかりにくいのが一時金・年金という区別です。この共通認識がないと話しは混乱します。 これは、実際に退職した際の受給者の受給形態を指して区別します。つまり、一時に全額退職金を受け取る形態を「一時金」、年金で受け取る形態を「年金」としており、年金による受給を可能としている制度を総称して「年金制度」と呼び、そうでない場合は実質的に「一時金制度」に位置づけられます。そしてもう一つの受給形態として「前払い」があります。これらを全て含めて「退職給付制度」と呼ぶ人もいます。この言葉を借りて整理すると次の【図1】のようになります。

前払い制はその性質から言うと、既に「退職」という事実からは切り離されているので、厳密に言えば退職給付制度の仲間とはいえないかもしれません。しかし多くの企業での制度化の経緯から言うと、一時金制度あるいは年金制度から移行したケースが多く、名前も退職給付の前払い制度であることから、広義の退職給付制度の一形態といえます。 ところで、この区分は給付すなわち退職金の支給面からの区分です。年金制度を導入する企業でも、実際の退職者が年金受給を選択する割合はかなり低いようです。貴社でも「年金」ということを意識する社員はどれくらいいるでしょうか。にもかかわらず、多くの企業では適格年金などの年金制度が採用されています。その理由は、年金制度の形を取ることにより、(1)将来必要な支払い準備金が積み立てられる (2)そのための掛金が損金になる という目的を満たすことにあります。言い換えれば、年金制度とはいいながらも「年金支給のための」というよりは、「積立のための」という経営サイドの側面が強いといえます。 一方の「一時金制度」もあまり厳格に考える必要はありませんが、税法上は一時金・年金の区別により税務処理等が変わってきますので、自社の一時金と年金の区別は理解しておく必要があるでしょう。 また自社の退職金制度における年金制度の捉え方として「内枠」「外枠」という考え方があります。「内枠」というのは、退職金支給内容の一部もしくは全部を、外部加入している年金制度から支給する方法を指します。一方「外枠」は、退職一時金制度と年金制度が別建てとなっており、それぞれに支給額計算方法が規定によって定められています。一般に中小企業では適格年金は退職金制度の一部としての「内枠」制度であることが多く、もう一つの厚生年金基金は退職金規程からは独立した、福利厚生として位置づけ、導入している例が多いようです。