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"退職金倒産"って本当に起きるのか?

"退職金倒産"って本当に起きるのか?
今年から新しく人事に配属となりました。これまで営業畑で会社の制度など良く知りませんでした。今勉強している最中ですが、退職金制度についてわからないことが多いです。例えば最近、新聞などで退職金や企業年金のことが話題になり、「年金破綻」「退職金倒産」という言葉をよく聞きます。わが社もなんとなく、これから退職金の負担が大きくなりそうだと感じています。

そもそも退職金倒産のようなことは本当に起こるのでしょうか。

最近の新聞や雑誌では「退職金」や「年金」をテーマにした話題が豊富です。ご存知のように、国の年金は今大変大きな財政問題を抱えており、私たち国民の老後生活への不安を募らせていますが、それと同じように、企業の退職金や年金も「退職金倒産」「企業年金の破綻」などと喧伝されるようになりました。

一般に「退職金倒産」と聞くと、文字通り退職金の支払いをしたために他の支払いが履行できなくなって倒産、あるいは退職者への退職金の原資が確保できず支払い不能となってしまうイメージを想像します。しかし実際の倒産事例で「当社は退職金がもとで自己破産します」などと表明する企業はまれです。むしろ退職金倒産というのは、経営破たんの直接原因としてではなく、倒産に至ってもおかしくないくらいの潜在的な大きな負担がある、という意味で捉えるべきで、そのままズルズル引きずると結果として収益や資金収支を圧迫し、他の要因とともに経営破たんを招いてしまうケースは今後十分に起こりえることです。このように、退職金制度は損益や資金繰りに大きく影響を与え、そして退職金倒産の怖さは長い時間をかけてじわじわと進行するところにあります。いずれにせよ、長期不況の中、多くの企業が退職金による負担を維持しきれなくなっており、制度のあり方からの見直しが迫られているのは明らかです。

では、なぜこのようなことが起きるのでしょうか。その要因としては次の2つが重要です。

(1)社員の高齢化が進んでいる
国の年金制度と同様、多くの企業では社員の高齢化が進んでおり、やがて大量の定年退職を迎える頃になるとその退職金の負担は膨大なものとなるのは容易に理解できることです。特に団塊の世代といわれる現在の50歳台後半の社員を多く抱える企業は、退職金支払いのために多くの資金を準備しなければなりません。

(2)資金をつくるための運用環境が低迷している
多くの企業は一挙に退職金の支払いをするのではなく、後に述べる年金制度の形をとって予め資金準備をしています。ところが資金準備していても万全ではありません。なぜなら多くの年金制度は、毎月の掛金に一定の運用益を見込んた設計となっており、現在のように株価の低迷や低金利が続くと当初想定していた運用益が得られず、その結果退職金支払いに必要な資金が不足してしまいます。それに加え業績ダウンが続くことによって、退職金の過剰負担はますます経営を圧迫することとなります。 貴社でもこのような実態がないかどうか、しっかりと見極めることが大切です。