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人事理念①

2017年11月20日 カテゴリ:戦略的人事

執筆者:飯塚 健二

人事戦略研究所 マネージャー

独立系システム開発会社にてSE・人事・経営企画等の実務を経験。その後、大手金融系シンクタンク、監査法人系コンサルタント会社にて人事コンサルティングに従事した後、現職。中小企業から大手企業まで規模を問わず幅広い人事・人材育成コンサルティング実績を持つ。 経営戦略の実現に向けた人事制度改革・定着化や要員・人件費マネジメント等のハードアプローチに加え、言語科学や行動科学の知見を活かした人材開発(コミュニケーション研修やビジネススキル研修、コーチング・ワールドカフェ等)を手掛ける。iWAM®認定マスター107-0001取得。

戦略的人事を考えていくうえで核となるのが、いわゆる「人事理念」です。人事理念とは、人材に対する考え方を表すものであり、戦略的人事を進めていくうえでその方向性を示す、いわば道標となるものです。ただ、一口に「人事理念」といっても、その捉え方や位置付けあるいは呼び方は、各社各様であり、自社の人事理念を考えようとするとき、何を明確化すればよいか分かりにくいということも実際あるのではないかと思います。そこで、今回からは、人事理念を筆者なりに4つのパターンに分類することを試みました。自社の人事理念の位置付けを明確にしたり、これから策定していくときの参考にしたりして頂けると幸いです。

まず、一つ目のパターンは、Philosophy(価値観・哲学)型です。これは、人事や人材に対する基本的価値観を言語化したものです。たとえば、「キャノンの行動指針」などがこれに該当します。

<例> キャノンの行動指針

○三自の精神:自発・自治・自覚の三自の精神をもって進む

○実力主義:常に行動・専門性・創造力・個性を追求する

○国際人主義:異文化を理解し、誠実かつ行動的な国際人をめざす

○新家族主義:互いに信頼と理解を深め、和の精神をつらぬく

○健康第一主義:健康と明朗をモットーとし、人格の涵養につとめる

 

このパターンは、「会社としてどういう社員でありたいか?」を明示したものであり、戦略的人事を考えるうえでのベースとなるものです。人事理念の4つのパターンのなかでも、もっとも上位概念にあたる位置付けと言えます。そのため、会社によっては、経営理念や社是として組み込まれているケースもあります。創業者の人材観・経営哲学や大切にしたいDNAを浸透・継承していきたいときに効果的な働きをすると考えます。

 

次に、人事理念の二つ目のパターンは、Requirements(要件)型です。これは、社員に求める人材要件(貢献内容)を言語化したものです。たとえば、「花王が求める人材像」などがこれに該当します。

<例>花王が求める人材像

1.チャレンジを続けられる人材

2.高い専門性を持った人材

3.国際感覚豊かな人材

4.チームワークを大切にして、協働で成果をあげる人材

5.高い倫理観を持った人材

 

このパターンは、「社員に何を求めるのか?」を言語化したものであり、多くの会社で謳われているのではないでしょうか。会社によっては、「求める人材像」とか「人事ビジョン」などと呼んでいるケースもあります。戦略的人事が目指す先を表したものであり、先ほどのPhilosophy(価値観・哲学)型に次ぐ上位概念に位置付けられます。この求める人材を創出していくために戦略的に人材マネジメントを行なっていくことこそ、戦略的人事に他なりません。従って、このRequirements型の人事理念は必須と言えるでしょう。つまり、戦略的人事を行なっていくためには、このパターンの人事理念を策定していくことが必要不可欠と言えます。

今回はここまでです。次回は残りの3つ目と4つ目のパターンをご紹介します。

 

なお、上記の事例は、経団連資料より引用しています。
https://www.keidanren.or.jp/japanese/policy/2010/043/jirei.pdf

 

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※コラムは執筆者の個人的見解であり、人事戦略研究所の公式見解を示すものではありません。