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「現状分析・診断」のイロハ⑤

2015年12月20日 カテゴリ:分析・診断

執筆者:岸本 耕平

人事戦略研究所 コンサルタント

大学卒業後、大手パッケージソフトウェア会社に就職。企業が持つ人材価値の最大化の実現を目指し、人事管理ソフトの企画・開発に取り組んだ。新経営サービス入社後は、「理想をカタチにするコンサルティング」をモットーに、中小企業の人事評価・賃金制度構築に従事している。特に、中小企業ではなじみのない人事データの定量分析手法を用いての多角的な分析を軸にしたコンサルティングを得意としている。

前回までは、人件費に関する分析手法と課題抽出までのプロセスをお話ししました。今回からは、「賃金水準」に関する分析手法を複数回に分けて解説していきます。まず、第1回目は「どのように賃金水準が決まるのか」という切り口から、賃金分析の観点についてお伝えします。

◇賃金水準の決定基準
 賃金水準は、「付加価値」「市場価値」「生計費」の3つの基準を総合的に加味して決定します。
  ①付加価値基準
   社員が会社にもたらす付加価値の大小によって決定します。したがって、職位や職責、専門性の高さなど、
   社員の役割やそのレベルの高低によって賃金水準を設定します。
  ②市場価値基準
   市場における人材の需要・供給バランスによって決定します。したがって、景気変動に伴う労働市場の状況や、
   転職市場における人材の希少価値を加味して賃金水準を設定します。
  ③生計費基準
   社員の年齢や扶養家族の人数等、一般的な生活水準を踏まえて賃金水準を設定します。

◇賃金分析の観点
 賃金分析では、上記を踏まえた賃金水準となっているか、チェックしていきます。よくある問題として、
  ①付加価値基準:係長が残業すると課長の賃金を超える ...等
  ②市場価値基準:初任給が同業・同地域の会社より低い ...等
  ③生計費基準:家族・住宅・地域特性といったことを全く考慮されていない ...等
 といったことが挙げられます。

賃金水準は、採用だけでなく、社員の定着やモチベーションに影響します。人事制度を見直す前に重大な見落としがないよう、賃金分析で解決課題を特定することが重要です。
今回は、賃金水準の決定方法をもとに、賃金分析における分析の観点をお話ししました。次回は、具体的な分析手法と課題抽出の方法を解説します。

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※コラムは執筆者の個人的見解であり、人事戦略研究所の公式見解を示すものではありません。