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賃金設計講座(3): 賞与制度について②

2014年11月17日 カテゴリ:賃金制度

執筆者:岩下 広文

人事戦略研究所 コンサルタント

大学卒業後、国内事業会社において人事・総務等の実務に従事。その後、人事アウトソーシング会社、及び、外資系大手コンサルティングファーム(※監査法人系)にて人事コンサルティング業務に従事した後、現職。人事評価・賃金制度構築や退職金制度設計だけでなく、組織・人事面における幅広いテーマでのコンサルティング経験を有する。人事の実務経験を活かした運用性の高い制度設計に定評がある。

前回のブログでは、日本企業における賞与の位置付けについて解説した。今回のブログでは、賞与制度を設計する際の観点(項目)について解説していくこととする。

■ 賞与制度を設計する際の3つの観点
新しい賞与制度を設計するにあたっては、主として以下の3つの観点がある。これら3つの観点ごとに、具体的な制度設計を進めていくことになる。
 ① 賞与算定方式の種類
 ② 評価間のメリハリ
 ③ 賞与原資算出ルール

上記3つの観点について、それぞれの概要は以下の通りである。

<①賞与算定方式の種類>
これは、社員各人の賞与支給額を具体的にどのような算定方式で算出するかということである。個人別の賞与算定方式には、日本企業で一般的に使用されてきた「給与連動方式」以外にも、「別テーブル方式」や「ポイント制方式」など幾つかの種類が存在する。それぞれに制度としての特徴/性質やそれによるメリット/デメリットがあるため、賃金ポリシーや運用性などを考慮して、自社の方針/実態にマッチしたものを採用することになる。

<② 評価間のメリハリ>
上記①の個人別賞与算定方式に連動してくる部分であるが、これは人事評価によって各人の賞与支給額にどの程度の格差(メリハリ)をつけるかということである。新しい賞与制度を、より実績主義の仕組みとして構築・導入するのであれば、人事評価によるメリハリは大きく設定することになる。なお、一般的には、上位階層の社員ほど評価に支給格差を大きくする設定するケースが多い。これは、言うまでもなく、組織の上位者には然るべき成果責任を負わせているからである。

<③ 賞与原資算出ルール>
上記①と②は、個人ごとの支給額を算出する仕組みに関しての設計観点であるが、③については、社員各人への配分元になる賞与原資や支給水準(月数等)をどのような方法/方式で決定するかということである。中小企業の場合には経営者のトップダウンで決定したり、労働組合がある大手・中堅企業の場合には労使協議で決定するケースも多い。それらの場合には、具体的な計算式等に基かない場合も多いが、一方で会社業績と賞与原資の関係性を明確にするため、一定の算出ルールや算定方式に基づいて原資や水準を決定する会社も存在する。


次回(以降)のブログでは、上記3つの観点について、それぞれ具体的な設計ポイントや留意点などを解説していきたいと思う。

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※コラムは執筆者の個人的見解であり、人事戦略研究所の公式見解を示すものではありません。