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コーチングは機能するのか?(1)

2008年09月08日 カテゴリ:教育・能力開発

執筆者:川北 智奈美

人事戦略研究所 コンサルタント

飲食・ホテル業界での経験を活かし、現場のモチベーションをテーマにした組織開発を中心にコンサルティング活動を展開中。トップと現場の一体化を実現するためのビジョンマネジメント、現場のやる気を高める人事・賃金システム構築など、「現場の活性化」に主眼をおいた組織改革を行っている。特に「サービスは心から」をテーマに現場スタッフのサービスマインドを高める教育システム構築に力を入れている。 ICF(国際コーチ連盟)認定プロフェッショナルコーチ

コーチングが日本企業で認知されるようになって10年。もはや企業では、当たり前のようにコーチング的アプローチでリーダーが部下に接することの重要性が理解されつつあります。実際に日本コーチ連盟が2006年に企業の教育研修担当者451名を対象に調査した結果では、44.8%の企業が既に導入しているという結果が出ています。

ところが、コーチングの基本的な考え方や手法などは一通り学んだけれど、「なかなか現場ではうまく機能しないですよ。」「コーチング、コーチングとはいうけど、うちの部下はそこまでのレベルに達していないんです。」などと、管理者の方々の声を聞くことも少なくありません。どうしてなのでしょうか?

理由は様々でしょうが、私なりには大きく2つの原因があるのではないかと思います。

1つは、スキルに偏った理解、使い方による機能不全です。

コーチングを実践する上で、最も大事なことは「相手を受け入れること」。もっと言えば、「心の耳を傾けて、相手の心を理解しようとする姿勢」が一番重要であり、「質問のスキル」などは単なる道具でしかありません。逆に言えば、「相手を受け入れ、相手の心を理解しよう」という姿勢さえあれば、質問は自然と出てくるものだと思います。それなのに部下に「どうしたらいいと思う?」「他には何か方法は考えられるかな?」という技巧的な質問を、まるで詰問のように繰り返しているようでは、部下は、「またコーチングか・・・」と、考えることに疲れてしまいます。上司が共に問題解決に協力してくれる・・・という前向きな意識がなくなり、「どうせまた質問するんでしょ?」と真剣に問題解決に向けて考えることをやめてしまいます。

反対に部下の事を真剣に考え、育ってほしいと思っている上司であれば、手法はコーチング的アプローチではないにしろ、相手の心を理解し、指導して成果をあげています。コーチングを取り入れる前の方が、部下のモチベーションは高かった・・・というのでは、本末転倒ですよね。これはコーチングスキルの間違った理解によるものと考えられます。

重要なことは、コーチングは相手との信頼関係の中で初めて機能するものだということです。

<次号へつづく>

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※コラムは執筆者の個人的見解であり、人事戦略研究所の公式見解を示すものではありません。