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成果主義の誤解

2008年09月08日 カテゴリ:人事制度

執筆者:山口 俊一

人事戦略研究所 所長

人事コンサルティング、講演、執筆活動を中心に活躍している。職種別人事をベースにした独自の発想と企業の実状に沿った指導により全国からコンサルティング依頼を受け、定評を得ている。現在までに中小企業から一部上場企業まで、200社以上のコンサルティング実績を持つ。主なコンサルティングテーマは人事評価・賃金制度の構築、組織運営など。

成果主義ブームから一転、成果主義批判へ。ここ10年間、日本における人事トレンドの主役は、良くも悪くも「成果主義」でした。最近では、従業員のモチベーション低下や格差社会の主原因とまで語られることもありますが、はたして本当にそうなのでしょうか。

下のグラフは、財務省が作成している中小企業から大企業までを含めた財務状況の推移です。過去10年、企業が生み出す付加価値(=粗利益)は回復傾向にあり、企業の儲けを表わす営業純益は大幅に改善しています。企業の成果である業績指標は、大企業を中心に上昇傾向が明らかになっていたのです。

にもかかわらず、人件費だけは過去10年間、全く増えておらず、むしろ微減となっています。今年も2%弱の昇給はしているものの、団塊世代の定年退職や人員補充抑制によって、人件費全体はほとんど増えないでしょう。

会社全体の成果(=業績)は上っているのに、成果主義を標榜している賃金自体は増えていない、という構図です。「会社全体の成果を高めて、その貢献度に応じて従業員への分配を行う」この本来の成果主義が実践されていないことが問題だと感じるのです。

過去10年、上場企業を中心に高まった利益は、借金返済に回し(グラフ中の支払利息減少を参照)、株主への配当増額に回してきました。これらは決して悪いこととは思いませんが、好調な企業はもっと従業員への配分を高めるべきではないでしょうか。

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※コラムは執筆者の個人的見解であり、人事戦略研究所の公式見解を示すものではありません。